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注目の成長市場│2025年版 中古EV(電気自動車)市場の動向と今後の見通し

電気自動車(EV)の普及が進む一方で、「中古EVの市場はどう動いているのか」「買い時はいつなのか」と気になる方も多いのではないでしょうか。
本記事では、世界と日本国内の中古EV市場の最新動向を整理し、課題と今後の展望をわかりやすくまとめました。購入や売却を検討している方にとって、タイミングを見極める参考材料となる内容です。


目次

  1. グローバル&国内における中古EV市場の現在地
  2. 日本国内の中古EV市場:普及と関心の現状
  3. 中古EV市場が抱える課題
  4. 今後の成長要因と未来の展望
  5. まとめと購入・売却のタイミングへの提案
  6. 最後に

グローバル&国内における中古EV市場の現在地

世界的に見ると、中古EV市場は右肩上がりの成長を続けています。2024年時点で市場規模は約158億ドル(約2兆3,500億円)に達し、2034年には約327億ドルに拡大するとの予測があります。年平均成長率(CAGR)は約7.9%と安定的な成長が見込まれています。
また、別の調査ではさらに高い成長率を示しており、2025年には約89.7億ドル、2035年には500億ドルに到達するという試算も出ています。これらの数字から、中古EV市場が世界規模で拡大を続けていることは間違いありません。


日本国内の中古EV市場:普及と関心の現状

国内では、新車EVの販売比率がまだ低いことから、中古EV市場も立ち上がりの段階です。
2024年のデータでは、普通自動車全体に占めるEVの割合は約1.47%と、前年の1.79%からやや減少しました。しかし、2025年の第2四半期にはEV販売台数が前年同期比で約14.6%増加し、シェアも2.39%から2.57%に伸びるなど、再び上向きの傾向が見えています。
この動きは、中古EV市場の活性化にもつながりつつあります。


中古EV市場が抱える課題

急成長が期待される一方で、中古EV市場にはいくつかの課題もあります。

① バッテリー状態の不透明さ

中古EVの価格や価値を大きく左右するのがバッテリーの劣化状況です。しかし、外見だけでは判断が難しく、専門機器による診断が必要です。この「情報の非対称性」が、購入者の不安を高める一因になっています。

② 国内需要の低さと輸出依存

日本国内ではEVの普及がまだ限定的なため、多くの中古EVが国内で消費されず、年間2万台規模が海外に輸出されています。国内市場の成熟が進まないことで、EVの資産価値が安定しづらいという課題も指摘されています。

③ 充電インフラと価格の不安

消費者調査では、「充電スポットが少ない」「価格が高い」「自宅充電設備が整っていない」といった理由で購入をためらう声が多く寄せられています。特に「充電スポット不足」は55%以上の回答者が懸念点として挙げています。


今後の成長要因と未来の展望

課題がある一方で、中古EV市場はさまざまな追い風を受けて成長が期待されています。

① 技術進歩とインフラ整備

バッテリーの耐久性向上や充電インフラの充実が進みつつあります。さらに、メーカー認定の中古EVプログラムが広がり、購入時の安心感が高まっていることも市場の後押しとなっています。

② 政府の支援・インセンティブ

自治体や政府による補助金や税控除が充実し、中古EVの購入ハードルが下がっています。こうした支援は、今後も市場拡大を促す重要な要因です。

③ 信頼性向上と新ビジネス

オンライン取引プラットフォームの普及や、保証・アフターサービスを付帯した「認定中古EV」が広がることで、消費者の安心感が向上。新たなビジネスモデルが市場を底上げしています。

④ サーキュラーエコノミーへの期待

バッテリーの再利用やリサイクルを進めることで、国内資源の循環や環境負荷の軽減が可能です。こうしたエコシステムが整えば、国内市場がより安定的に成長する可能性も高まります。


まとめと購入・売却のタイミングへの提案

総じて、日本国内の中古EV市場は**「成長期への入り口」**に差し掛かっているといえます。今後数年で、インフラ整備や技術進化、制度面のサポートが進むことで、さらに魅力的な市場へと発展するでしょう。

  • 購入を検討される方へ
    認定中古EVやバッテリー診断済み車両を選ぶことで、購入後のリスクを抑えられます。充電インフラが整ったエリアでの利用を想定して検討するのも安心です。
  • 売却を検討される方へ
    世界的に需要が高まっているため、海外輸出を含めた複数ルートで査定を取ることをおすすめします。市場価格の動向を確認しながら、タイミングを見極めることが重要です。

最後に

中古EV市場は、世界的な需要の高まりと国内の動きが連動しながら、着実に成長のステージへ進もうとしています。課題はあるものの、技術・制度・市場の三位一体での進化が期待できる分野です。今後2~3年は「先行者利益」を得られるチャンスの時期ともいえるでしょう。

購入・売却のいずれを検討されている方も、最新の市場動向を踏まえたうえで、賢い判断をしていただければと思います。